医師 求人に対する疑問にお答えします
邦銀がコントロールシステムを作りあげた最近よく話をするのは、「リスクコントロールシステムが出来たにもかかわらずリスクを取らないのは不合理である」ということです。
日本の銀行の偉い方達はリスクコントロールシステムを作るとそれだけで儲かると思ってしまうみたいなところがあります。
そうじゃなくて、リスクコントロールシステムを作って、それでリスクを取って、初めて儲かるのです。
リスクコントロールシステム自身が儲けを生むわけではないのです。
リスクコントロールシステムが出来たということで安住しちゃいけないのでありまして、それを使ってリスクを取るということが重要かと思います。
そのリスクコントロールシステムですが、基本というか、一番重要なことはやはりコミュニケーションの確立なんですね。
本店と支店、もしくは上司と部下とのコミュニケーション。
これが一番。
システムを作るよりもなによりも重要なのは、このコミュニケーションの確立です。
これが私のxx年間のディーリング経験からのリスクコントロールに関する結論、です。
例えばB社でしたつけね。
xx歳のトレーダー、R被告が不正をして、相当大きい損をした。
そのときマスコミ報道によると、本店の連中が知らなかったことになっていますけど 「ホンマかいな」と思いましたよね。
冗談じゃないですよね。
あの頃リーソン氏が何をやっていたか覚えていませんけれど、「債券を売って、日本株を買う」とか、そういうようなことをずいぶんやっていまして、「ベアリングズが大きくポジションを取っている」とかいう新聞記事がボンボン出ていた。
あの会社が債券を売って株を買っているぞとか、社外の人が知っていたのです。
ところがマーケットを見ていると彼らの思惑と反対に債券の価格は上がって、株の価格は下がっているというような事態が起きていた。
彼らが苦しくなっていることは新聞を読んでいる人は誰だって、分かっていたわけです。
それを「本部が知らなかった」などと言うのはおかしいと思ったわけです、誰だって。
もしそれが本当ならR氏と本部はまったくコミュニケートをしていなかったということになります。
R氏とその上司、もしくは本店の担当者、もしくはもっと上の人たちがコミュニケーションをしていたら、R氏の苦境はすぐ分かったはずです。
上の人たちが実際知らなかったというのじゃなくて、知っていてごまかして逃れたんじゃないかと勘ぐってしまいますけど。
要はコミュニケーションが重要なんですよね。
私の場合には日常的にボスからのチャレンジがありました。
これは仕組みが出来ていたわけではないんですけど、しょっちゅう「お前はどして今、JGBを売っているんだ」とか、「今、なぜドルを買っているんだ」とか、電話とかEメールで聞いてきました。
私のマーケットの見方は「プロパガンダ」と銘打ったFax通信でほとんど毎日社外の人にも流していました。
英語にも翻訳されて、これはEメールで全世界に流されていました。
しかもそれ以上により詳しく、より建設的な分析を正式な文章にしてNYに流してもいたのです。
そうすることによってニューヨークは私が今マーケットについてど考えているかを熟知していたわけです。
「ドルは上がるぞ、上がるぞ」と私が言って、マーケットコメントも書いて、大きくポジションを張っている。
そのときにもドルが下がった。
しかし私の提出するディーリング報告はプラスが続いている。
そうしたらこれはおかしいとすぐ分かるわけです。
「はドルが上がれば儲かるポジションだな」と認識しているときにドルが下がった。
しかしは儲けている。
これはおかしいということになるわけです。
各トレーダーがマーケットをどのように見ているかということをその地のボスなりニューヨークが認識していれば、ディーリングにおける不正みたいなことは起こらないのですよね。
そういう意味でコミュニケーションが一番重要だという話をしています。
M銀行の話をしますと、毎週火曜日に全世界をつないだ電話会議がありまして、各支店から1人ずつ、東京は私でしたけど、マーケットに関する意見を言う。
ニューヨークからはエコノミストや私のボスなど、会長を含めたシニアの連中が参加し、その会議録が次の日には全世界のM銀行に回っていました。
水曜日にはその電話会議を踏まえ、ニューヨークでヒストグラムと称する会議が行なわれて、いろんなマーケット戦略を練っておりました。
もう一つ、NYでは毎日4時四分ミーティングと称されていて、マーケットでは非常に有名だった会議が毎日、4時日分に会長以下、シニアの連中を集めてだいたいxx分くらい、長くてxx分だと思いますけれど、開催されていました。
そこでその日の全社的なポジションを分析していた。
すなわち、M銀行では絶えず一番上の会長自らが自社の持っているマーケットリスクをモニターするというシステムになっていました。
DEAR次に、どういう手法でモニターしていたかという話です。
詳しいことは言いませんけど、昔はマチュリティラダーを使って、ネットプレゼントバリューを出すとか、デュレーションを出すとか、そういうことをやっていました。
これに関しては昔の話なので細かい話はしません。
そのうちにDEARというのを計算するようになったんです。
DEARというのは最近では非常に世界的に有名になったリスクコントロールの概念ですけれども、これはM銀行のリスクコントロールチームがつくった概念です。
そういうDEARを計算をして、4時xx分ミーティングでマーケットリスクを分析していたのですね。
DEARとは何ぞや、どうしてDEARが出てきたかという話をしましょう。
昔4時xx分ミーティングに出てきた会長にドル/円は東京支店とロンドン支店でポジションを持っているけれども、トータル1000本ロングです。
ドル/マルクは700本ショートです。
日本国債は300 1970億円、ショートしています。
英国債は700本ロングしています。
アメリカ国債はxx億ドルロングです。
などと報告しても会長は数字は理解しても、だからと言って何が何だか分かんないですよね。
ドルがロングだからドルが円に対して上がれば儲かるとか、そういうことは分かるかもしれないんですが、でも一方、ドル/ユーロではショートしているから、ドルがユーロに対して上がれば損してしまう。
あれやこれやで、会社全体としてどれくらいリスクにさらされているかというのは分からないわけです。
それではまずい。
そこで一つの数字でM銀行は今どくらいマーケットリスクにさらされているかを知ろうとして作ったのがDEARなんです。
要するに分かりやすさを追求した。
会長もその数字を見ればM銀行が今どくらいのマーケットリスクにさらされているかが一目で分かるようにするということを目標として出来たものがDEARなのです。
これは何%の確率で当たる損し得る金額なのです。
DEARが5000万ドルということは、xx月xx日目、これは何%の確率ということですよね。
最大限損しても5000万ドルですということです。
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